不幸な転職をしないために

奈良県の私立病院の診療報酬の不正請求が発覚し、理事長が逮捕され閉院となりました。こういった不正請求は万が一の行政処分のリスクを考えると、割が合わないように思います。

今や、患者さんが病院を選ぶだけでなく、医師や看護師が勤める病院を選ぶ時代になりました。患者側から見れば、診療技術が高いことも大切ですが、病院のトータルのイメージが大切です。

同じく職員にとっても、脱税、汚職といったもの関与して行政処分が個人に及ぶ可能性を考えれば、そういった不正を行う病院には近づかない方がベストです。

転職を考えている医師が注意するべきなのは、求人を出している病院がどんな病院か?理事長や事務長の人柄も把握した上で、転職のサポートをする業者さんの中立な意見が案外大切で、転職を急ぐのではなく、リサーチは時間をかけて取り組むべきという点です。

普通の病院でも、管理職のスタッフの入れ替えは頻繁ではありません。なのに看護師長や事務長が新しくなったばかり、あるいは技師や看護師の広告がひんぱんに出ていたりであれば、「黄色信号」の可能性があります。

医師の給与や待遇がよくても、ベテランスタッフが少なく、新人の入れ替えが多い病院や診療所の欠点は、管理体制がどうしても不十分なことがありえます。

せっ かく転職した病院を短期間で退職することになれば、次の転職や行く先の障害になることは見えています。そういう意味では、理事長や病院がどんな評判なのか は、出入りの業者さんやMRさん、それに大学の同門医師に聞けば、それなりに情報が集められます。その上、さらに紹介会社さんの話で、判断するのが良いか もしれません。

今回は業者との癒着は、借金の返済に追われてのことだと思われますが、元々採算が厳しい急性期医療や産科、小児科に力を入れているところで、年俸が高すぎることは「変だ」と思ってください。

医師の給与にも相場感があります。よっぽどのことがない限り、採算ラインというのは同じです。病院ごとに報酬体系が異なりますが、民間病院は転職を受け入れるにせよ、前の病院の給料のヒアリングだけではなく、きちんと勤務医の待遇について相場観を持っています。

それを超えてまで過剰にお金というのは危険です。知り合いの医師が、家庭の事情でお金が必要とのことで、僻地で単身赴任中のようです。ただ、その地方では常識はずれの金額ではないと思います。その地域ごとに出せる可能な金額というのがあります。

今後は収入だけでなく、学会支援、さらには育児のサポートなど医師として働き続けるための何か違った特色で医師を続けてもらいたいと考えている病院間の競合が始まってくるとおもいます。いや、看護師などの部分ではもう激化していると思います。

ただ、お金だけ述べると経営サイドは心配されます。むしろ常識的な範囲での金額、それ以外は+アルファ」の上積みできる部分を求めるべきだと思います。奈良の病院のように雇われの院長と同じような経験をしないためにも、転職前のリサーチは必須だと覚えておいてください。

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