医局人事ばかりが全てではない


※こちらの記事は現役医師から頂いた記事になります。

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先日、産科医として活躍中の女性の先生と
大学医局を途中でやめられた元産婦人科の先生に
お会いしました。

お二人とも産婦人科医師として10年以上のキャリアが
あるのですが、前者は大学の医局人事で外部の私立病院勤務。
少ない人数の医局の中で大好きな上司の元で
大好きなお仕事に一生懸命で、毎日の緊急手術を
山のようにこなしていて、さらに主婦としても活躍しておられました。

一方、後者の先生はアメリカ留学から帰国された後、
大学で後進の指導をしながら診療していましたが、
中間管理職の悲しい現実に直面して
燃え尽きて辞められてしまいました。
現在はご家族を地元に残し仕事のために単身赴任中で、
週末になると地元に帰るという生活をなさっていました。

給料はおそらく後者の先生の方が1.5倍位高いようでしたが、
毎月10日以上当直や待機があるのは全く同じで、
女性の先生の労働環境が恵まれているということも
なかったようです。

現在の医療現場では、医師として「モチベーション」
を高めながら働き続ける必要があります。
それを周りから配慮しないと、
いつの間にか次の就職先が決まって「さようなら」です。

医局の人事を巡ってはさまざまな意見がありますが、
今日、強制力は落ちています。

しかし一方、医師としてスキルをあげたり
キャリアアップする機会をこれまで提供してきた
医局の力はまだまだあります。

従来は医局の機能は機会をなるべく平等に
配分するのが目的でしたが、
文句を言う人は医局を抜けることをほのめかし、
一方従順な人はそのまま従うため不平不満は絶えず、
中に残った人にとっては「窮屈」で「柔軟性」に欠けたりします。

海外留学でさえ医局の中で順番待ちだったり、
希望しない医局員に留学を薦めたり、
このあたりちぐはぐだったりします。

民間病院の場合、さまざまな形で勤務医のやりがいを
引き出すために、めざましい業績をあげる先生には
きちんと目に見える形で評価しますが、
一方大学医局では評価基準がもうひとつ
はっきりしないため、かえって不平等が目立つのも事実です。

医局の中にいることでチャンスを失うことを認識して、
自分から辞める先生がいます。
ただしこれとて冒険で、多少のメリット・デメリット、
さらに医局という存在を無視できるか?
など医師にとり向き不向きがありますので、
このあたりはよく考える必要があります。

大学の医局人事は近代化が遅れましたが、
だからと言って何も魅力がないとはいいません。
後輩もいたり、最新の医学知見に触れる時間もあります。

医局という相談先や後ろ盾がないフリーの医師になり、
理解ある院長や経営者がいる病院を自分で探し求めるのは大変です。

しかし周囲を見回せば開業ラッシュ・転職ブームの中、
他人を頼らず自らのポジションを探し求めるための
「旅」をしようという方にとっては、
医師としての生き方を医局だけに預けず、
勇気をもって外の世界に出てみることをすすめます。

また違った人生が開けるかもしれません。

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